FMDに関するQ&A
Q1:FMDとは何ですか?
FMDはFlow-mediated dilationの略で日本語で血流依存性血管拡張反応といい、血管内皮機能を評価する指標です。動脈硬化は血管内皮機能障害からはじまり、糖尿病や高血圧などの生活習慣病のリスクはその進行を加速させます。血管内皮機能の低下は心血管イベントリスクを高め、生命予後の悪化に繋がります。
Q2:有用性は認められていますか?
FMDは1992年LANCET誌において世界で初めてその有用性が発表されました。それ以来30年以上の歴史があり、関連論文も4000以上、近年その数は増え続けているゴールドスタンダードな指標です。
Q3:血管内皮機能をどのように評価しますか?
FMDは、カフで腕を締めた後の血流増大によるずり応力により血管拡張物質である一酸化窒素(NO)が血管内皮からどれだけ放出されたかを、カフで腕を締める前後での上腕動脈の拡張度(%)で評価します。血管内皮機能が低下しているとNOの産生は少なくなりFMD値は低下します。
FMDの正常値は7%以上で、4%未満では内皮機能障害となります。
Q4:他の動脈硬化検査とはどう違いますか?
PWV、CAVI、ABI、頸動脈IMTなどは、血管の硬さや詰まりの状態を捉える指標ですが、FMDは血管内皮細胞の働きを診ています。他の指標が正常値でも既に内皮機能障害が進んでおりFMDが低値を示す場合が多くみられます。
Q5:血管内皮機能は改善するのですか?
薬物療法、運動療法、食事療法、禁煙などによって血管内皮機能が改善します。その特徴としては、2週間といった短期間で改善したという報告もあり、治療効果が反映されやすい指標です。
Q6:臨床でも使われていますか?
近年、数多くの臨床現場で活用されています。 FMDの有用性は示されておりましたが、その測定手技が煩雑で手間がかかっていたため、臨床活用は限られてきました。しかし、FMDを簡単、正確、リアルタイムな測定を可能にしたFMD測定専用機『ユネクスイーエフ』により、現在では、大学だけではなく、一般臨床病院、クリニックなど1000以上の施設でご活用いただいています。
Q7:どんな診療科で使われていますか?
循環器内科、内分泌代謝内科、腎臓内科、神経内科など幅広い診療領域にて活用されています。また人間ドックで採用されている施設も多くあります。
Q8:診療報酬の適用はありますか?
「血管内皮機能検査」診療報酬:200点 血管内皮機能検査を行った場合は、局所ボディプレティスモグラフ又は超音波検査等、血管内皮反応の検査方法及び部位数にかかわらず、1月に1回に限り、一連として当該区分において算出する。
Q9:検査時間はどれぐらいですか?
約10分です。(※ユネクス イーエフ18VGの場合)
Q10:検査に資格は必要ですか?
医師、臨床検査技師、放射線技師、看護師の資格で検査可能です。導入されたクリニックのほとんどで看護師が測定されています。
Q11:必要な消耗品は何ですか?
エコーゲルとサーマル紙のみです。