FMDとは
血管内皮機能を診るFMD検査のご紹介
まずは動画にてFMD検査の概要をご覧ください。
非侵襲的血管内皮機能検査のFMDとは
FMDとはFlow Mediated Dilationの略で「血流依存性血管拡張反応」といい血管内皮機能評価の検査として近年注目されています。 動脈硬化は血管内皮機能障害から引き起こされると言われており、FMD検査は動脈硬化が引き起こす様々な疾患に対する早期発見・早期治療に有用です。
FMD値の算出方法
FMDの値は、カフで前腕を駆血・開放後、NO(一酸化窒素)が内皮細胞から産生され
どれだけ血管が拡張したかを血管径の拡張率(%)で評価します
- 検査時間は約10分、十分に安静が取れリラックスした状態で行います
- 検査は肩口まで袖をまくり、ベッドに仰向けになって行います
FMD検査の流れ
FMD検査は、5分間の駆血が必要になりますので、全体で10分程度の検査となります。
下の動画では1分20秒程度でご紹介しています。
ガイドライン
FMD検査のガイドラインとしては、JACCより2002年に欧米の研究者を中心に発表され、
国内においても2008年にHypertension Researchより発表されました。
また、2013年には「血管機能の非侵襲的評価法に関するガイドライン」が各学会の合同研究班から発表されています。
臨床の場においてもFMD検査は、動脈硬化検査項目として病院だけでなく、検診や企業など多くの施設でも取り入れられはじめ、
心血管疾患の予防に効果を発揮しています。
新循環器専門医研修カリキュラム
2019年4月からの新循環器専門医研修の開始にあたり「専門医研修 整備基準」や「研修での達成項目、経験すべき症例数」
を記載した「専門医研修カリキュラム」が発表されました。
それによりますと「達成目標A」として「血管機能検査」が必須となり「血管内皮機能検査」も含まれることとなりました。
5.血管機能検査 「達成目標A」
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■研修のポイント
- 血管機能検査は非侵襲的に末梢動脈疾患を診断でき、心血管病のリスク評価にも有用である。
- 足首上腕血圧比(ABI)、脈波伝播速度(PWV)、心臓足首血管指数(CAVI)および血流介在血管拡張反応(FMD)などの血管内皮機能検査の測定原理と適応を概説できる。
- ABI、PWV、CAVIおよび血管内皮機能検査の測定原理および適応を概説できる。
- ABI、PWV、CAVIおよび血管内皮機能検査を実施し、その結果を正しく解釈できる。
- 血管機能検査の結果を症状と対比させてわかりやすく説明できる。
- 5 例
診療報酬の適用
FMD検査は、平成24年の診療報酬改定により、200点が付与されております。
- 血管内皮機能検査を行った場合は、局所ボディプレティスモグラフ又は超音波検査等、血管内皮反応の検査方法及び部位数にかかわらず、
1月に1回に限り、一連として当該区分において算出する。
(平成24年3月5日付け「診療報酬点数表に関する事項」より抜粋)